岡本養豚代表串原佳世が語る幻の豚肉「千代幻豚」の歴史

千代幻豚の歴史

岡本養豚は私達の子供の頃は肉牛を飼っていましたが、父は昭和48年 に牛から豚に転換し、今主流のLWDを作っていました。
当時も肉質・ 系統追求し、埼玉種畜牧場の今は亡き田中洌さんにお世話になり、父の切 磋琢磨の豚肉の追求がはじまりました。

養豚農家も時代の流れと共に豚価の暴落の折、

どうやってこの小さな養豚揚が生き残れるか?
企業が真似できないことは何か?

と毎日考えていました。

その当時雄豚は系統をそろえるため埼玉種畜牧場から選んできて購入していました。
年に何回か足を運んでいたある日、田中さんが中ヨークシャーを見せてくれた。

父   :「これは何んな?」
田中さん:「今絶滅状態の中ヨークシャーだ、遊んでおる」


この時父は、これだ!と思ったそうです。

父   :「遊んでるんなら俺に分けて欲しい」

このような会話がなされ、その後三頭の中ヨークシャーが我が家にやってきました。

小さな養豚農家が大規模の養豚農家に対抗して勝てることはない かと考えた末、人と同じ事をしていてはだめだという発想にたどり着いた。
いわば天然記念物級の中ヨークシャー種に着目し、改良を重ねて今の千代幻豚ができあがってきた。
当時のことは私も、覚えていますが鼻がクシャンとつぶれていて孫悟空のハッカイそっ くりだと思いました。

当時の水飲み器はヘルスカップで、豚があごが張っ ていて水が飲めていないのに気がつかず、やせて体調を崩して死んでし まい、でも一頭を育て上げ肉の味を見ることが出来た。

よし!これを改良していこうと父は燃えました。

品種のかけあわせからはじまって、系統を そろえるのに8年の年月をかけました。

現場をやっている私達は、種付 けすると足が弱くてつぶれてしまうためコンテナで支えて交配したり、 中ヨークシャー種の飼い方にとまどったりしました。
餌が多すぎて子豚 が大きくなりすぎてサンカチェーンをかけて産ませるが、産道が狭 すぎてちぎれてしまったりと、かわいそうな思いもたくさんしました。

頭数を母豚70頭にそろえるまでにはロでは言い表せない程の苦労があ り、出来上がった豚の肉を食べてみては改良したりと、納得するまで繰り返しました。

埼玉種畜牧場の故田中さんのお世話で東京の消費者団体に出荷 しないかとお話をくださったが、自分の納得しない物は出せないと思い、 結局納得した物が出来上がり、流通が動き始めたのは2年後のことだった。
家の出荷数だけでは消費者団体へ出す数が足りないから何 とかならないかと相談され、グループも作ったりしたこともあった。

平成9年には父の所にどっちの料理ショーの特選素材の依頼が来てテレ ビ出演し、当時まだ名前の付いていない豚は、「飯田中ヨークシャー」という名で放映され た。

その後の平成10年10月、10年続いた消費者団体との取引をやめた。
生産者に対する信用を感じなくなったからだ。
我が家は流通のない市場に放り出された結果、必要に迫られ販売にも力を注ぐようになった。

手作りのパンフレット

私は友人である「座光寺饅頭」の本家赤羽目さんに、これからはブランド化の時代だとお話を聞き商標登録 をした方がいいと知恵をいただき、さっそく私は父に話した。
売り込みするにも名前がいるので、今まで苦労して来た第一人者をきちんと伝える為、父の名前 で商標登録手続きをしました。

現実は厳しく、まとまった売りはなかなか出来ず赤字経営は続いた。
資金力のない私が出来ると事といえば、友人から中古の パソコンを買い、パンフレット作って伝え歩くことだった。
しかしそれが功を奏したか、不思議と1頭ずつの売りが出来ていった。
また平成13年1月には念願の「千代幻豚」の商標登録が取れた。

たくさんの出会いに助けられ、全頭の売りが出来た頃、ソムリエの田崎真也さん・東京農大教授で醸造学、発酵学の権威でおられる小泉武夫さん・当時の長野県知事田中康夫さんとの出会いがあり、マスコミ関係にも知れ渡って行き、たくさんの方に「千代幻豚」の名前を耳にしていただくようになりました。
その結果、販売店様からは「売るのが楽になったよ!」と言ってくださるまでになりました。


平成9年のどっちの料理ショーの時は父は下記のように紹介されました。

「飯田中ヨークシャー」(千代幻豚と改名)
長野県飯田市 岡本 陸身(60)

数々の豚を開発している埼玉種畜牧場でも作っていない天然記念物のような豚があった。
その豚は中ヨークシャーと大ヨークシャーから生まれた種豚とデュロックを組み合わせたもので、全体の0.1%しかない 絶滅寸前の豚。
それを個人レベルで飼育しているのは世界でも例がなく、まさに奇跡の豚と言っても過言ではない。
他の豚よりも呼吸器官がデリケートであるため、外気の温度や湿度を見極めながら、まめに換気を行わなければならない。
また、成長によってエサにも工夫をし、通常よりも60日長い飼育期間で育てている。

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