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千代幻豚
平成10年に消費者団体との契約販売を取りやめたため、いったんは市場へ出すこととなったが、この先差別化販売を行わなければ、市場出荷では経営が成り立たないと判断。長期展望の見地によりブランド名の必要性を感じ、商標登録を行いました。
当時中ヨークシャー種は、市場流通には一軒も出てなく、イギリスからも純粋種は輸入ができないとされており、昔の日本では主流の豚種であったが、現在では天然記念物といわれているほど希少となっていたことから、「幻」を使用することとし、その豚が育つ環境を意味する上で、ここ飯田市の千代という地域名をつけて「千代幻豚」と命名しました。
「千代幻豚」は、平成9年8月日本テレビ系にて放送された「どっちの料理ショー」に紹介された当時は「飯田中ヨークシャー」と名乗っておりました。その後平成13年に「千代幻豚」として商標登録されてからは「飯田中ヨークシャー」とは名乗っておりません。
現在さまざまな銘柄が存在する中「千代幻豚」は日本で唯一、岡本養豚場からしか出荷されておりません。
ブランド概要
商 標 | 千代幻豚(ちよげんとん) |
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事業所名 | 岡本養豚(おかもとようとん) |
商標所持者 | 岡本 佳世(おかもと かよ) |
登録年 | 平成13年 |
千代幻豚は、かつて日本の主要品種であった中ヨークシャー種に着目し、25年以上にわたり改良を重ね、豚肉本来の味にこだわり続けた養豚職人(故)岡本陸身(平成21年5月他界)が作り上げました。現在は先代の技術を全て受け継いで作り直した千代幻豚です。
現在日本で食べられている豚の主流は、大型種であるランドレース種(L)と大ヨークシャー種(W)で母豚を作り(LW)、デュロック種(D)を交配させて生まれた豚(LWD)であるのに対し、千代幻豚は中ヨークシャー種(Y)と大ヨークシャー種(W)で母豚を作り(YW)、デュロック種(D)を交配させて生まれた豚(YWD)になります。
中ヨークシャー種
イギリス原産の白色豚。
肉質や脂肪の質に優れ、美味な豚肉とされている。
戦前の日本で飼育されていた品種は、鹿児島の黒豚で有名なバークシャー種、そして90パーセント以上を占めていたのが、この中ヨークシャーという品種でした。
中ヨークシャーは中型の品種で、ずんぐりとした体系に大きな頭、しゃくれあがった鼻が特徴です。しかし昭和35年以降、海外から輸入された大型の品種「大ヨークシャー」や「ランドレース」が飼育されるようになり、それまでの中型の豚に比べ、格段に生産効率がいいことから、大型豚の養豚へと移行していくこととなります。 その結果中ヨークシャーは、ほとんど姿を消し、絶滅状態となってしまいました。
千代幻豚はそんな生産効率等の理由で消えていった中ヨークシャー種を復活させた、まさに究極のスローフードです。
参 考:日本の純粋豚6品種
中ヨークシャー(Y):
白色・中型の品種。ずんぐりとした体系と大きな頭、しゃくれ上がった鼻が特徴。肉質や脂肪の質に優れ、美味な豚肉とされている。
バークシャー(B):
黒色で鼻先と四肢の先と尾の先の計6ヶ所が白い「六白」といわれる毛色の特徴を持つ中型種。肉質はやや暗色を帯るが、繊維は細く軟らかく優れている。
大ヨークシャー(W):
白色、大型の品種。赤肉率が高く、加工用の原料として使われることが多い。発育も早く、純粋種としてはランドレース種についで多数飼育されている。筋繊維が細かく、精肉用・加工用ともに適している。
ランドレース(L):
被毛は白色、耳は垂れていて体長が長く、後躯が充実している。背脂肪が薄く赤肉率が高く、発育も極めて早いのが特徴。
デュロック(D):
赤色の品種。耳は先端の3分の2が前方に垂れる半垂耳。体質は強健で飼いやすい品種。他の品種に比べ筋肉内へ脂肪が沈着しやすく、シマリがあり柔らかい豚肉を作ることで知られている。
ハンプシャー(H):
毛色は黒地に肩の部分に白い帯がある。性質は活発、採食性が強いので放飼に適している。今日では希少品種である。
差別化と強み
他のブランド豚は主にLWDの三元種であり、飼育や飼料の違いにより名前をつけているが、中ヨークシャー種を使った品種交配は、当時日本では例がないといわれました。
販売先にも、一緒に中ヨークシャー種を守っていただくことをご理解いただき、原則1頭売りを前提に販売契約を結んでいます。また、生産者が出荷時に全ての豚の販売先を決めるため、トレーサビリティーが確立されております。千代幻豚は当農場しか生産していない、まさに長野県の特産物です。
縁あって多くの食通とされている方々に高く評価され、各方面でPRしていただいていることもあって知名度は格段に上がりました。しかしそれでも品質第一を貫徹しているため、限られた飼育頭数の中での契約販売は今後も変わりありません。
幻の豚「千代幻豚」生産者の想い
2004年10月にグリーンチャンネルアグリネット様より「千代幻豚」生産のドキュメントを放送していただきました。在りし日の岡本睦身の千代幻豚に対する熱い想いとこだわり、そしてありのままの姿を取材していただけたことは当農場の財産として残り続けていると同時に創業者の想いを引き継いだ者たちへの訓戒として今後も大切にして行きます。
2004年10月放送 グリーンチャンネルアグリネット
技あり!畜産農場 幻の豚「千代幻豚」
~ 養豚の職人 岡本睦身さんの挑戦 ~
千代幻豚の特長
肉質の安定
千代幻豚は、LWDよりも1ヵ月以上も長い、約210日間をかけてじっくり育て、肉質の安定を図っています。時間をかけて熟成させるため、従来の豚肉の概念を打ち破るほど日持ちし、冷凍にしても肉質が落ちません。
と蓄後1週間目くらいからおいしさも増します。ある肉屋さんで調べていただいたら肉が23日痛まずにいたとびっくりしていました。又市場関係者の方からは冷凍しても品質が落ちない不思議な肉だと言ってくださっています。 ご家庭についても1週間以上日持ちします。
肉質の向上
千代幻豚は、本来の豚肉の特徴である「脂の旨み、香ばしさ」「肉のきめの細かさ、甘み、歯ごたえ」等すべてを持ち備え、さらに飼料は独自にメーカーと開発し、身体にもよい納豆菌を添加して肉質の向上を図っています。
安全性
信州のおいしい水を飲み、抗生物質・発育促進剤・ホルモン剤など一切使わず、安全性にも力を入れる等生産者の思いをひときれの肉が豚の歴史を感じさせながら物語ってくれます。
ポイント《特徴》
しゃぶしゃぶ用・・・あくが出にくいため、最後のスープも最高!
鍋・すきやき用・・・繊維が細かいため、煮てもかたくならず味が残ります!
ソテー用・・・焼き縮みが無く、歯ごたえと香ばしさがよい!
カツ用・・・衣が肉の旨みを包み込んで最高!必ずとりこになります!
ハンバーグ用・・・豚肉100%でこんなにうまい!脂がきめて!